父親子育て支援ブログ(雑記)

[NHKあさイチ出演]今どき三歳児神話ってどうなのか!?

一昨日、NHK“あさイチ”の特集「新しい夫婦のカタチ」に出演させて頂きました。

概ねの内容は、我が家の夫婦なりのライフスタイルを描写しており、「こんな家庭もあるよ」という多様化する家族の在り方として一例には良かったのかなと個人的には思っています。

 

ただ1点を除いては・・・

 

今回、このことをわざわざ書く必要が本当にあるのかどうか、少しだけ迷いましたが、現在の僕は父親支援団体の代表や講演活動、子育て支援施設でパパママに色々とお話している立場でもあるので、少し想いを書いてみたいと思います。

また今回の放送内容から三歳児神話の部分に、違和感を感じた方もいると思うので、合わせて語っていきます。

→見逃した方は「NHKオンデマンド あさイチ」で2019年4月30日まで視聴出来るようです(有料)

 

男女共同参画の推進を行っている立場からすると、今回のお題そのものがかなりデリケートな提起であると感じながら取材を受けました。事実婚や週末婚も含めて夫婦の在り方はそれぞれなので、伝え方を誤ると、否定にも繋がってしまいます。

今回の放送でも、冒頭に「ご飯にする?お風呂にする?」というワードを時代遅れとしていたので、専業主婦家庭で今の在り方に幸せを感じている人には良い受け取られ方をしなかったんじゃないかなと思います。

9時台に入り趣旨について少し付け加えられるようなコメントがスタジオでありましたが。

 

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今回取材を受けた理由は、前回の記事に書いた通りです。

今日の記事はその伝えたい2つのことの、1つめになります。

 

「三歳児神話」は過去のものだと感じる(私見)

10年前、僕の価値観は、確かに三歳児神話を信じていました。

当時はそう思っていたので僕はその価値観も否定はしませんが、今の方が柔軟に捉え生き方の選択肢を増やせているとは思っています。

現に、三男は1歳半から保育園に通っています。

「保育園に通わせたい」そう思った自分自身の変化に衝撃はありました。

10年前の自分からは考えられない発想です。

※「三歳児神話」とは、言葉の意味などは簡単に後述します。

 

VTRを観た方は、捉え方によっては、僕は今も三歳児神話の呪縛の中にいるように思われたかもしれません。現に、Twitterの投稿の中でも「古い考え」という視聴者さんのコメントもありました。

この点の補足をすることもありますが、それ以上に、僕は今回の取材を夫婦の在り方の一例を見せるという点からお受けしています。

「べき」論を語る気はありません。

 

VTRでは、テロップとナレーションにて

3歳になるまでは親がみるほうがいい

この点のみ取り上げられていました。

これだけでは、まさに三歳児神話ですね(汗)

 

これでは、

3歳未満の子を保育園に預けていることは、良くないことなのか?

親ではなく、お爺ちゃんお婆ちゃんがみてくれている場合はどうなの?

など、不安や不満に思われる方も多いと思います。

Twitterでは拾いきれないところで、VTRをみて不快感を感じた方も多くいるかもしれません。

 

特に今は4月、待機児童問題などをクリアして育休を明けたり、新しい生活の中で保育園に通わせ始めた家庭も多くいると思います。慣らし保育など、新しい環境に子どもが慣れておらず、大泣きされながら預け、後ろ髪を引かれながら出勤している親も多いはずです。

 

そんな家庭もある中で、「べき」論はふさわしくないと思います。

VTRの作りから、「3歳になるまでは親がみるほうがいい」はあくまでも僕個人の意見として出ていますが、乳幼児期の子育ては、子どもとの関り方を親自身が一生懸命模索している分、少しの言葉でも不安を煽ってしまうことがあると感じています。

 

『いやいや、でも3歳になるまでは親がみるほうがいいって言っていたよね?』となりますよね。

 

インタビュー中も、そのワードは言いましたが、放送されていない前後のコメントがあります。

夫婦合わせて3日間の密着取材、1時間近いインタビューの中のほんの断片なので、後半以降がオールカットされていた感じですね。放送を観ながらこの点だけは少し焦りました(汗)

 

この3歳になるまでは親がみるほうがいいの前後は簡単に話すと以下のような感じです。(簡単に話してもちょっと長い(汗))

 

『当時は、僕自身が三歳児神話を信じていて、子どもを保育園に預けることが可哀そうだと思っていました。それは、僕自身が専業主婦の母親と、サラリーマンの父親の家庭に育ち、その家庭があたたかく感じたので、自分の価値観として子どもを保育園に預けたくないという気持ちがありました。妻は、両親が共働きで保育園に通い、お爺ちゃんお婆ちゃんがみていたので、保育園に預けることに抵抗はなかったようです。ここで夫婦の育ってきた環境による価値観の違いからバトル(話し合い)がありました。』(つづく)

 

10年前は三歳児神話を信じていました。

インタビューは別々に撮影で相手の内容を知りませんが、妻のインタビュー内容の中に、

「子どもは絶対親がみたほうがいい」という彼の考えがあったので
曲げることがないので
そこは本当に彼の気持ちを尊重してやっていくしかないかな

 

妻側のコメントからも三歳児神話について更に追い込んでいる流れになってしまいましたね。

これだけでは、本当に今も三歳児神話を信じているように受けとられると思います。

 

(つづき)

『三男は1歳半から保育園に預けています。預けたいと思った自分にもびっくりしました。専業主夫として一通り子育てをしてきたので、三人目となるとある程度やり切った感もあったかもしれません。三男が1歳になる少し前に、父親支援団体パパフレンド協会を立ち上げました。準備期間も含め団体立ち上げは大変でしたが妻の育休中だったので自由に動ける時間がありました。三男が1歳になり育休を明けてから、生活が激変しました。僕が活動として動きたくても動けず、妻の夜勤明けや中休みに、三男のお世話をお願いして動ける時間が限られていました。本来なら妻が寝ないといけない時間に預ける申し訳なさもありました。』

 

『お互いに余裕がなくなり、ギクシャクし始めて、秋頃(育休復帰から4ヵ月)に初めて、息子を保育園に預けたいと思った自分がいました。その時、広島市は待機児童が400人以上いて申請しても翌年4月までは無理だろうと思っていました。10月に保育園の制度(幾らかかるかなど)を調べ夫婦で検討しながら11月頃に申請、翌12月に一発で入園出来ることになりました(新設の保育園でタイミングよく受入があった)』

 

『その時、よっしゃ!!!と思って喜んだ自分に驚きです。10年前の自分からは考えられない。価値観は変わるんだなと感じました。』

 

価値観の変化の部分、僕の中では、講演会や、プレパパママセミナー、学生さん等に話す時の鉄板ネタです。

・元々亭主関白だった僕が、専業主夫になった価値観の変化。

・保育園に預けることが可哀そうと思っていた僕が、三男から預けるようになった価値観の変化。

 

後半でもう少し深堀りしますが、

「価値観」は、「経験」「置かれた状況」「一緒にいる相手」によって変化するものだと思っています。

 

子育て支援施設でママ達と話す時は傾聴を意識していますが、今では保育園に預けても子どもは柔軟性があるから慣れるよ、大丈夫だよと伝えています。

それでも、後ろ髪引かれる気持ちもわかるので、そういう点も話しています。

逆に復帰せずしっかり成長をみたいというママも多くいるので、その気持ちも当時の自分を重ね合わせよく分かります。

 

どちらが正解などありません。

 

ということで、長くなっていますが、今の僕の考えとしては、

「3歳になるまでは親がみるほうがいい」

という価値観はあてはまりません。

子どもをみれるならみればいいし、みれなくても子どもは順応性あるから向き合える時間にしっかり向き合おう。

講演会などでは、90分から120分の尺で話す内容になってくるので、ブログでも全ては語れませんが、聞きたい事があればTwitter(@yoshihiro88kita)のDMや、メールなどで問い合わせください。(不快な連絡には返信しません、たまにあるから価値観の押し付けや誹謗中傷が)

ひとまず、自分のことを擁護(笑?)するのはこの辺りまでにしておいて。

今回も取材放送では下の記事でも書いた通り、視聴者さんのツイートをみて、色々とコミュニケーションを取りにいきました。

【NHKあさイチ】「平成から令和へ夫婦のカタチ」出演で、Twitterの反応から伝えたい2つのこと昨日はNHK朝の番組「あさイチ」に“専業主夫と働く女性”という立ち位置で夫婦出演させて頂きました。広島県のローカル番組や関西圏放送の密着...

そんな中でも、幾つか声を頂いたので、記事を続けたいと思います。

 


補足ブログを書こうと思ったのは、昨日の記事に書いた通り、同じ特集に出演されていた奈良さんのツイートを見かけたからですが、今回の三歳児神話や価値観の変化を綴ってみようと思ったのは、上記などのコメントのやり取りからでした。

Twitter初心者ですが、今の時代は本当にすごい。関心を持って下さる方を見つけやすい。

長くなるので、家族社会学や価値観の変化や生き方などに関心ある方が流し読みでもしてくれれば、うれしいなという気持ちで書いていきます。

ここからはもうブログ講演会状態になりそう(笑)

※まだまだヒヨッコで社会学の専門家でもないので、個人の意見程度で読んでください。お題がカタイのでゆるく書きます。

そもそも三歳児神話とは?

三歳児神話とは・・・

三歳児神話(さんさいじしんわ)とは、「子供が3歳になるまでは母親は子育てに専念すべきであり、そうしないと成長に悪影響を及ぼす」という考え方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

日本にこの価値観が入って来た時の社会背景もありますが、「母親が」という点がクローズアップされると、父親の育児は蚊帳の外?という気持ちにもなります。

僕自身が専業主夫として、社会で感じた男性育児の壁。根源はこの辺りの価値観から来ているのかなとも感じています。

 

三歳児神話の賛否なども、母乳育児などの問題と共に根深いので、文字として多くは語りたくありませんが・・・

(平成10年版厚生白書で「三歳児神話」は合理的な根拠は認められない。とされています)

 

三歳児神話はイギリスの精神科医ボウルビィの「愛着理論」から来ていて、当初は「母親か、生涯母親の役目をする人が、子どもをみた方が・・・」という文言だったと思います。

その考え方が日本に入って来たのは、1970年代頃、高度経済成長期に差し掛かるあたりでしょうか。

今では働き方改革の推進があり考えられないワード、リゲインの「24時間戦えますか」のCMなどが流行っていた頃です。第ニ次産業など、これまでの家族の在り方が社会の流れと共に変わり、「男性が外で働き、女性が家を守る」という家庭が増えていました。

また70年代には番組枠が拡大され「おかあさんといっしょ」が平日朝に放送されるようになったり、「三つ子の魂百まで」という言葉なども(誤った捉えられ方などで)相まって、

 

『子どもは母親が育てるべき』という風潮が広がって行ったのかなと感じます。

 

共働き世帯の増加

僕が生まれた昭和55年は専業主婦が多く、僕自身の価値観もそこで作られていました。

今では共働き家庭の方が(理由は様々)多いため、「新しい生き方、夫婦のカタチ」というお題が取り上げられるのだと思います。

僕の価値観が変化していった話し

VTRにもあったように、10年前、当時の価値観として、三歳児神話を信じていたので、学生時代も同じ考え方でした。

もっと突っ込むと、子どものことだけではなく、「男が外で働いて、帰って来たらご飯が出来ていて・・・」という家庭に憧れていました。

 

いわゆる亭主関白という価値観。

 

妻との付き合いは学生からですが、将来看護師となる妻は、夜勤がある可能性もあるわけです。僕の当時の理想の家族像とは違うわけです。出会いが社会に出てからだったら付き合えていなかったかもしれません。学生なので(ある意味)まだ結婚なんて意識もしていない。その時その時のことを考えているだけだったから付き合えていたのかもしれません。(逆に大学1,2年生で結婚を意識して付き合っていたら重すぎるかも?)

当時から大学が近かっため一緒に居る時間は多く在りました。彼女は専門職を目指していて、国家試験や実習もある、その頑張りを近くでみているうちに、応援したいという気持ちが芽生えていきました。ほんとうによく頑張っていた。僕はのほほーんと学生生活を送っていたので・・・。

 

結婚時は、子どもが生まれた後の生活は現実的に考えられていなかったように思います。

 

長男が生まれたころ、病院が電子カルテに変わったそうです。導入直後は色々と新しく学ぶこともある、ちょうど子どもが生まれるタイミングだったので、早めの復職が良いかもと夫婦で話し合いもしました。

子ども三人にそれぞれ1年間は育休を取っているので、産休も合わせると、15年近い勤務のうち4年のブランクがあります。また時短勤務の復帰という手段もあるとは思いますが、やはり仕事内容は違うのかなと、妻の話からも感じています。

 

 

妻の復職。

そこで現実的になってきたのが、「子どもをだれが見るの?」という点です。

 

僕が専業主夫の道を選べたのは、当時、会社員から自営業に転職していて、幸いにも0歳児の子育てに多く関わることが出来ましたことも大きかったかもしれません。この0歳児の育児というのは、もうここでは書ききれないほど色んなことがあります。

 

自営業の中で、子どもを子育て支援施設に連れて行き遊ばせる時間をつくる。子どもの成長は本当にあっという間で0歳児は1年で3倍近く体重も増えます。1つ1つの成長が新鮮で、もっとたくさんの時間を共有したいと思うようになりました。

僕の小学生時代のなりたい職業の1つに、保育士があり、自分の子どもくらいしっかり見てみたいという気持ちも芽生えました。

また子育て視線施設でのママ友たちとの出会いも大きかったかもしれません。子どもを通じて出来る友達という感覚は新鮮でした。

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妻の職場復帰のタイミングや、0歳児の育児に関わる中で感じた感動、これらの「経験」が僕を、亭主関白から専業主夫という考え方に変えていきました。

とはいえ、専業主夫という道を選びたくても選べない家庭も多くあると思います。意識的なことだけではなく経済的な面でも、まだ少数派だと思います。

 

Twitterで視聴者さんの声を見ていても、

「看護師だから収入がいいんでしょう」という収入面の話がでています。

 

これはその通りだと思います。一馬力で生活できる収入があったから主夫という選択肢を選ぶことが出来ました。収入面で無理であったら、子どもをみるため主夫になりたくてもなれず、共働きが必須だったはずです。

そういう点からも、僕ら夫婦だから、今のカタチがあるのかもしれません。

 

とはいえ、それもまだ乳幼児期や小学生くらいまでだったから何とかなっただけの話。

子どもが3人いて、長男は中学生になり、僕ら夫婦も歳をとっていく。

看護師の場合、夜勤手当も大きいです。年齢的に夜勤がきつくもなっていくと思います。

様々なリスクを考えて進んでいく必要はあります。

 

今がちょうどそのことを考えて動いている最中というところで、家族のカタチは各家庭の中でも、子どもの成長や夫婦自身やりたい事などにより、日々変化していくものだと思っています。

まとめ

今回は、自分の経験や価値観について書いてみました。

何が正解とかなく、家庭は夫婦や家族それぞれで、今回の放送は多様化する家族の在り方の、ほんの一例です。

あと、まだまだ勉強中なので、三歳児神話など語弊があった場合はすいません。