おはようございます。主夫社会起業家の北佳弘(@yoshihiro88kita)です。
どんな分野でも、関心がない人に理解してもらうことはとても難しいことだと思います。
僕たちは興味関心があることに対して、本を読んだり人から話を聞いて勉強しますよね。
関心があるから「知りたい」と思う。
子どもはゲームの攻略を知りたいからYouTubeの実況を見たりしていますが、そのゲームに関心がない大人には、情報が右から左へ流れていく(笑)
社会的課題はほとんどの場合が「関心がない人」に対して働きかける啓発が大きな課題点になります。
男女共同参画の啓発でも、無関心層に対する働きかけの難しさを感じる日々です。
今回は森林環境問題に対して、どうやったら関心を持つキッカケを作り続けられるかな?という点について考えてみたいと思います。
豪雨災害が森林環境を意識するきっかけに
今日も西日本は大雨です。
今年は、本当に梅雨の長雨が続いていますが、振り返ってみるとここ数年は毎年7月は豪雨災害が多くなっています。

豪雨により地球温暖化の問題を意識することや、土砂災害により森林(山の状態)を意識することが増えてきました。
危機的なことは、自分事となり、初めて僕たちは社会的課題と向き合うことが出来ます。
記録的大雨のニュースから「地球温暖化の影響では?」と考え、土砂災害から居住地域付近の山は大丈夫かな?と意識する。
僕自身も、父親支援活動をしていますが、男性育児の壁を感じたのは専業主夫になり、「子育て当事者」になってからです。
多くの場合、「無関心層」=「当事者以外」(又は当事者と気付いていない)ということから、啓蒙に対する大きなハードルがある。
社会的課題は、当事者になり困った時、困難を感じた時に気付き関心を持つことが多いのですね。
でも、本来なら困った状況になりたくない。
その困った状況を無くすための働きかけ自体が社会起業家の活動だと考えています。
真面目に書くけど、これ面白い?

「木育」という形で僕たちが初めて山のことを学ぶのは小学5年生くらいです。
小学5年生の教科書で人工林などの話が出てきます。
大人になると忘れてしまう人も多いはず。

ご存知ですか?
山の木って、ただ勝手にあるのではなく、苗木を植えて人工的に育てていることを(人工林)
1960年頃の国内の木材自給率は約90%でした。
人工林が木材として主伐され使われるまで約50年間のスパンです。
日本では60年代以降、木材自給率は低下し10%代まで落ち込みました。(現在は30%代)
理由は外国産材の輸入によるもの。
こんなことは林業者じゃないと意識しないことかもしれません。
当事者意識がないから意識しない課題点。
外材が増えたことにより、国産材の価格が下がり、割に合わないため放置される森林が増えてきました。(後継者不足の課題も増加)
放置された森林は、間伐が行われないため、日が入らず下草も生えない。
密集し、やせ細った木々の根は細く、山の保水機能も弱まり土砂災害も起きやすくなる。
源涵養機能や土壌保全機能とは・・・
・・・っていう話をされても
関心が無いと話が入ってこないですよね!?
余程関心が無いと読み流してしまうでしょう。
「へぇ~」で終わってしまうんです。
「伝えたい事」をただ正確に伝えるだけでは、
「伝わらない!」
これらが啓発活動を行う時に誰もが頭を悩ませる壁です。
ということで、森林環境を意識してもらうために、「木育」をキーワードにどう無関心層に伝えられるか、考えています。
啓発の1歩目はターゲットの生活に寄り添う

無関心層が関心を持つキッカケに「遊び」はとても有効だと考えています。
そもそも木材に対する関心がないのなら、まずは積み木や木のおもちゃで遊んでもらう。
肌触りや香りを感じ、木に親しんでもらう。
木の良さを知ってもらう。
いきなり「森林環境問題がね!」と言っても響かないので、まずは伝えたい層の生活圏内で既に関心を持っているものからアプローチします。
子育て世代の場合は「おもちゃ」など。

積み木や木のおもちゃを使った遊び場は大盛況でした。
啓発の第1歩目、関心を持つキッカケ作りです。
この事業は、コロナ感染状況をみながらになりますが、継続的に行っていきます。
木育活動を通して森林環境を意識するきっかけをつくる

広島県の「ひろしまの森づくり事業」として、昨年度は第一歩目の木と親しむイベントを開催しました。
積み木遊びを中心にイベントはウケが良い!お父さんの参画率も高い!
狙い通りです。
同時に予想通りだったのは、森林環境を伝える点が弱い。
参加者は、木のおもちゃで遊ぶことがメインになるので、こちらの狙いの本来伝えたい部分については伝わり難いんです。

毎回イベントでは伝えたい点についてパネル展示などを行っているのですが、おもちゃ遊びからパネル展示までの心の距離が遠い!
読んでくれるのは一部の関心を持ってくれた方で、多くの人は素通りです。

イベントによっては協賛企業さんからのお菓子で釣って(クイズの答えをパネル内に用意しお菓子つかみ取り!)パネルを見る工夫をしていますが、動線が美しくない。
無理やり感がある。

ということで、今年度は木育コンシェルジュたちとアプリを開発します。
昨年度からこの動線づくりは考えていましたが、事業費が大きいので予算の都合上、昨年度は木育ツアーで木遊びまでとし、今年度伝えるコンテンツ作りを行う計画で進めていました。
木の遊びから、パネルまでの動線が遠いのであれば・・・
遊び場に伝えたい展示を持ってくる!という発想です。
ただおもちゃの横にパネルを展示していてもほぼ見られないはず。
ここにも遊び心が必要!
そこで考えていたのがVR(仮想現実)とAR(拡張現実)でした。
展示されていないはずのものが、デバイスをかざすことで見える。
ただ見せるのではなく、親子が関心を持つように魅せる。
今はその内容を作っています。

先日は、広島大学名誉教授とアプリ開発担当者をお呼びして、木育コンシェルジュのメンバーと構図の話し合いを行いました。
これから詰めていくことも盛り沢山ですが、なかなか面白いアプリになりそうな予感です。
かなりワクワクします。

社会的課題の解決は義務的になってしまうとアイデアも乏しくなるので、仕掛ける側も楽しみながら行うことが重要ですね!
同席していた三男。バランス良く積むおもちゃ。
一番上に星を置きたいと拘りながら頑張ってた(笑)
よくよく見ると・・・

横に向けてバランス取ってる(笑)
子どもの発想は最高です!
今回のアプリは、幼児から小学生低学年くらいがメインターゲット。
森林について学校で習う小学校5年生より前段階にあるので、どう伝えるか!がとても重要です。
うちの三男がちょうど対象年齢層なので、意見を聞きながら進めたいと思います。